宝珠のおたより

「主体性」の重要性

こんにちは、宝珠保育園の園長です。
いつも『宝珠のおたより』をご覧になってくださる皆さま、本当にありがとうございます。

今回は「主体性の大切さ」についてお話ししたいと思います。このテーマを選んだ理由は、宝珠保育園で過ごしている子どもたちがこれからの社会で自立し、成功するためには「主体性」が重要不可欠だと考えているからです。

1. 主体性とは?

主体性とは、「自らゴールを設定して向かう能力」です。対して自主性は、「設定されたゴールに自ら向かう能力」を指します。これまでの日本の教育では、設定されたゴールに向けて行動する「自主性」は重視されてきましたが、「主体性」を育むことには十分な力が注がれていないように感じます。

2. 保育目標としての主体性

宝珠保育園では、「自分の頭で考えて、自分の力で行動できる子どもを育てる」という保育目標を掲げています。この目標は何十年も前から大切にしているものであり、今の時代にもその重要性は変わりません。昔は「言われたことをしっかりやる」ことが重視されていましたが、現代では自らゴールを設定し、そこに向かって考えて行動する力がより重要視されるようになっています。

3. 幼児期の主体性

幼児は主体性の塊だと思っています。興味と意欲に満ち溢れ、自分のしたいことを積極的に追求します。しかし、この主体性を持ち続けることができる子どもはどのくらいいるのでしょうか。昔はIQが高ければ成功すると言われていましたが、今ではEQ(感情知能)が重要視されています。困難な状況に直面した時に解決する力、これはEQの高さに依存します。そして、主体性がなければEQを高めることも難しいのです。

4. 世界の教育と日本の現状

世界の教育はEQを重視する方向にシフトしています。リーダーシップや問題解決能力は、主体性の上に成り立っています。しかし、日本では「やらされることをこなす能力」が高く、5教科のテストの点数は世界的にトップレベルでありながら、日本経済はなかなか上向きません。シンガポールの例を見ると、主体性を育む教育EQを伸ばす教育への投資が成果を上げています。私たちも国に頼るばかりでなく、大人たちが主体的に教育に力を入れるべきです。

5.経験を通じて主体性を育む

主体性を育むためには、経験が必要です。宝珠保育園では、子どもたちができなかったことができるようになる成功体験を重視しています。この時期に経験することが、子どもたちにとって非常に重要です。例えば、太鼓の練習では、転園してきた子が遅れを感じながらも努力し、今では誰よりも上達しました。挫折や褒められる経験を通じて自信をつけることができます。

畑での種蒔きから野菜ができるまでの体験も、子どもたちにとって感動体験となります。私自身も若い頃、青年会議所で役職に立候補し、辛い経験を山ほどしてきましたが、そのおかげで今の自分があります。

4. まとめ

宝珠保育園では、子どもたちが主体性を持ち続けるための取り組みに力を入れています。経験を通じて主体性を育むことが、これからの社会で活躍するための基盤となります。親御さんや他の保育園の先生方も、ぜひこの重要性を理解し、一緒に子どもたちの未来を支えていきましょう。