宝珠のおたより

子育てについて、よくあるお悩み<0~1歳児編>

こんにちは、宝珠保育園の園長の倉松です。
新しい年が明けて少し時間がたってしまいましたが、改めまして本年もよろしくお願いいたします。

3回目の今回は、子育ての中で親御さんたちが直面しやすい悩みに焦点をあて、お話をしていこうと思います。
私の園長としての経験の中で学んだこと、感じたことを通じてお話させていただくので、全てのケースで当てはまる回答ばかりではないかもしれません。お子様の特性によって、異なることがあるとは思いますので、あくまで1つの参考として捉えていただけたら幸いです。

また「子育て」と言っても、子どもの年齢によって状況が異なりますので、今回は<0~1歳児>をメインで下記の『よくあるお悩み』にお答えします。

もちろん無理にとは言いません。でも少しだけ取り入れていただくことで、お子様のより良い成長につながっていくものと思いますので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。

-子育てでよくある、10のお悩み[ 0~1歳児編 ]-
Q1.子どもが食の好き嫌いが多く、あまり食べてくれません。どうしたら良いですか?
Q2.0~1歳児にスマホ(タブレット)を触らせるときの注意点は?
Q3.よく耳にする[0歳児教育]。やったほうが良いですか?
Q4.つい下の子(0~1歳児)の世話ばかりになってしまいます。上の子の接し方で気をつけることは?
Q5.人見知りが激しく、保育園で他の子と仲良くできるか心配です
Q6.0歳から保育園に入れることは、“かわいそう” なのでしょうか
Q7.風邪やウイルス感染が心配です。どうしたら良いですか?
Q8.生活リズムを整えるために、今からやるべきことは?
Q9.絵本の読み聞かせは、いつごろからやればいい?
Q10.0~1歳児への叱り方、どうすれば良いですか?

 

 

Q1.子どもが食の好き嫌いが多く、あまり食べてくれません。どうしたら良いですか?

私や先生たちが、現場で一番よく聞かれるのは「食」についてのお悩みです。ミルクから離乳食へ移行する時期でもあるので「何を食べさせたら良いか(食べさせてはいけないか)」に加え「家ではあまり食べないんです」というお悩みをよく聞きます。

ただ実は、宝珠保育園の給食には「残食(食べ残し)」がほとんどありません。果物の皮くらいでしょうか。年齢を問わず、全ての園児たちがほとんど残すことなく給食を食べてくれるのです。

ですから「なぜ宝珠保育園の給食は残食が少ないのか」、「どんな工夫をしているのか」という点を改めて考えてみました。環境の要因もありますので、全てとは言いませんが、少しでもご家庭での参考になればと思います。(※給食は1歳から食べています)

◇出来たてで「温かい」ものを。

大人も同じだとは思いますが、出来たてで温かいものは、やはりおいしいです。ですが「熱々」でもいけません。冷めすぎず、熱すぎず、出来たてのちょうど良い温かさのものを給食で出しています。

◇小さな子どもの口に入れやすいサイズで。

上に書いた「温かさ」と同様に、大切なのは「食べやすさ」です。口に入れやすいサイズに切ってあげるのは大事ですね。

◇彩りもおいしそうに。

大人もキレイに盛り付けてある食事を見ると「おいしそうだな」と思いますよね。それは子どもも同じです。例えば、ちょっとニンジンの型抜きが乗っているなど、彩りがキレイだと食欲にも影響します。

◇食べる「場」の雰囲気を楽しく。ポジティブな声かけで「食事は楽しい!」と感じさせる。

保育園では、給食の前にもよく遊んで身体を動かします。そして、食べる時はクラスのみんなと食べるので、ご家庭とはずいぶん違う環境にあることも影響し、そのおかげで「よく食べる」ようになっているのかもしれません。

ただ、宝珠保育園の先生たちは「食べさせ方」には気を遣っています。「おいしいね!」「おいしかったね!」や「お口いっぱい開けられたね!」など、食事中のポジティブな声掛けは、毎日欠かさず行っています。

何よりも「食事は楽しい」と感じてもらうことを大切にしています。

◇大人が食べてもおいしいものを。

私も先生たちも、園児たちと全く同じ給食を食べています。子ども用なので、薄味に仕上げてはあるのですが、正直とてもおいしいのです。自分の園のことを、こんなに褒めすぎて良いのかとは思いますが(笑)

私は毎日給食を食べながら『給食おいしいなー、ああ、もう食べ終わっちゃうなー』という、食べ終わってしまいたくないという気持ちでいっぱい。本当に毎日の給食の時間が楽しみなのです。

しかしながら給食で、とんでもない高級食材を使っているとか、聞いたことのないメニューを出しているとか、そんなことはありません。

ただ少し他と違うとすれば、野菜は自分たちで育てたものを使い、味噌も、自分たちの田んぼで取れたお米を地元の味噌屋さんで麹にしてもらい、それで作ったお味噌を使っているのです。
<(有)神保栄三久商店さん、いつもありがとうございます>

それもあり、おいしいお味噌を使っているという意識はあるものの、調理師たちに「おいしい理由は?」と尋ねても「特別な作り方はしていませんけど」と口を揃えます。

よく味付けを子ども用にしすぎるあまり、大人が味見をしても「イマイチ…」という食事になっているという話も聞きます。もちろん、基本的には薄味であるほうが良いのですが、薄い中にもうまみや味の強弱を感じる「大人でもおいしいもの」にしてあげると、子どももうれしいのかもしれません。

色々と書きましたが、実は一番大切なことがあります。
それは、親御さんが「気にしすぎないこと」です。「なんで食べないの!」「なんとかして食べさせなくっちゃ!」というピリピリした気持ちは子どもに伝わるものです。

上手くいかないことがたくさんあると思いますし、皆さん上手くいかないことが多いからこそ、「食」の相談が一番多いのです。

でも、大丈夫です、みんな園ではしっかり食べています。

時々だったら、食べさせることができなかった朝ごはんを園に持ってきてくださってもいいんです。

「食事はたのしい」。今は、そんなふうに感じてもらって、食事の時間を好きになってもらうことが大切だと考えています。

 

Q2.0~1歳児にスマホ(タブレット)を触らせるときの注意点は?

少し前は、「スマホやタブレットを触らせて良いのか」と聞かれることもあったのですが、今は生活の中にあるのが当たり前すぎて、聞かれることも少なくなりました。

もし、絵本を読み聞かせる時間があるならば、そちらを優先したほうが良いです。

ですが、今は親御さんも毎日お忙しいですから、そう言ってはいられないのも分かります。

「スマホやタブレットに触れる」という前提で、触らせるときは、どんなことに注意したら良いのかをお話します。

おそらく、どういった時にスマホを触るかといえば、動画を見せることが主かと思います。

その際に「怖い映像は見せない」ということだけは、徹底してください。

YouTubeや合間に挟まれる広告など、恐怖を煽るものには注意して下さい。

大人になっても、すごく怖がりな人と、そうでない人がいますよね。それは子どもの頃の恐怖体験が分岐点になっていることが多いです。子どものころに恐怖を覚えると、大人になっても怖がりになるのです。

スマホとは別ですが「○○しないとおばけが来るよ」「○○な子は鬼が食べちゃうよ」なんて脅し文句もよくありません。小さい頃に植え付けられた「怖い」というイメージは、成長の過程でも払拭しにくいのです。

では逆に、見せるならどういったものを見せれば良いのでしょうか?

私からは「感動的なもの」をオススメしています。ディズニー映画などはいいですね。

ポイントは「何かが成功に終わるもの」だと良いと思っています。

もちろんディズニーに限ったことではありませんが「君なら(あなたなら)できる!」などのセリフがあるものだと、自己肯定感を高めることに繋がるのではないかと考えています。

また、映像ではなくアプリやゲームなどであれば、脳の活性化を目的としたものなら良いかもしれません。

 

Q3.「よく耳にする[0歳教育]。やったほうが良いですか?」

これは悩みますよね。もちろん、0歳児教育を否定はしません。

早くから英語に触れさせたいのであれば、英語の歌を聞かせたり、ディズニー映画の英語版見せたりしても良いでしょう。ですが、どんな教育を受けさせたとしても、優先すべきは「愛情を感じさせる」ことです。0~1歳児に限らず、5歳児くらいまでに特に大切なのは教育より「愛情」と言っても過言ではありません。

子どもと接する時間の中で「大好きだ」「大切だ」というのを言葉と態度、ふれあいを通じて存分に伝えてあげて欲しいのです。愛情をしっかり感じながら成長することが、健全な成長につながると考えています。

 

Q4.「つい下の子(0~1歳児)の世話ばかりになってしまいます。上の子の接し方で気をつけることは?」

まだまだ生まれたばかり子のほうが、大変ですから、時間や関心が偏ってしまうことってありますよね。

正直、仕方のないことだとは思いますが、そんな中でも、先に生まれた子どもに対しては、少しだけ意識して欲しいことがあります。

それは、今までより意識的に「褒めてあげる」ことです。

「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだからダメ!」などと言うのは避けてください。

やはり「自分のことを見ていてもらえない…」というのが寂しさに繋がりますから、たくさん褒めてあげてください。褒めるポイントは些細なもので良くて「これができるようなったねー!」や「身長伸びて大きくなったじゃん!」というのでも良いのです。

宝珠保育園でも、粘土で違うカタチが作れるようになったら、それも褒めます。「見られている」というのはうれしいもので、もっと張り切って粘土で何かを作ろうとしてくれます。

「自分を見ていてくれるんだな」と実感することが、子どもの安心につながるのです。

 

Q5.「人見知りが激しく、保育園で他の子と仲良くできるか心配です」

正直、保育園に通っている子たちは、周りに慣れていくので、人見知りをする子は少ないです。

もちろん最初は人見知りをする子もいますが、成長の過程で平気になっていきます。だからあまり今の段階で気にしなくても良いのではと考えています。

「知らない人と会うと恥ずかしいという感情が芽生える」それも1つの成長の証なのです。また逆に「人見知りしなさすぎて心配」という声も稀にありますが、それもまた個性と捉えて良いのではないでしょうか。

 

Q6.「0歳から保育園に入れることは、“かわいそう” なのでしょうか」

これは断言しますが「かわいそう」なんてことは決してありません。

だって考えてもみてください。保育園に通っていれば、家では親御さんや家族の愛情を、保育園に来れば先生たちからの愛情を、たっぷりと受けることができるのです。色々な人からたくさんの愛情を受け取ることができるのですから、「かわいそう」という要素はどこにもありません。

また、お友だちと一緒に過ごすことも良い影響があります。1歳くらいの子ども同士で、おもちゃをゆずり合う微笑ましい姿を見ることがあります。当然まだ言葉での意思疎通はできませんから、触れ合う中でゆずり合いの心を覚えているのだと思うと、驚きと感動を覚えます。

多くのお友だちと一緒に過ごすときにどうすれば良いか、「集団行動」を学ぶことにもつながっているのです。

さらに保育園は、生活リズムを身に着けやすい環境です。「今は何の時間だろう」というのをだんだんに覚えていきますし、1歳ではさすがに無理ですが、着替えるべき時間に自分で着替えるというのも2~3歳くらいで出来るようになります。周りの子たちを見て、考えて、覚えていくことができる環境だからだと思います。

こうやって挙げていくと、保育園に預けることってメリットだらけだと思いませんか?

だから、自信を持って預けてください。

私たちが、お子さんにたくさんの愛情を注ぎます。

 

Q7.「風邪やウイルス感染が心配です。どうしたら良いですか?」

昔から「保育園で風邪をもらってきた!」なんてことをよく聞きませんか。

私たちも、園児たちも手洗い・うがいを徹底していますが、集団生活の場ですから、流行りの風邪などを全くゼロにすることは厳しい面があるかもしれません。

ですが、出来ることは限りなくやっていこうという姿勢です。

0・1歳児のクラスでは、体温調節が大事なのですが、先生たちは本当に些細な変化もよく気が付きます。

それは自分の子育てが終わった先生が複数人で子どもたちの様子を見ているからです。

経験豊富な保育士たちにより、限りなく安心・安全な保育ができていると思います。

また、お気づきの方もいるでしょうが、宝珠保育園の床は床暖房入りです。

寒さ厳しい日光の冬も、あたたかい床なら安心です。

 

Q8.「生活リズムを整えるために、今からやるべきことは?」

同じ時間に寝起きすることを大切にしていただきたいです。

保育園では「お昼寝」がありますが、給食→歯磨き→絵本→お昼寝、というルーティンがあるので、生活リズムを身体で覚えることができます。

ご家庭でも、夜寝る時間・朝起きる時間を、曜日を問わず同じにすることで、自然と生活リズムが身につきます。

また、何より睡眠は大事です。脳を休めてリセットできるのですから。

ここを読んでくださっている皆さんも実感があると思いますが、大人も睡眠時間がしっかりあったほうが昼間のパフォーマンスが上がりますよね。世の中で成功している人たちの多くが「睡眠時間」を大切にしているとも聞きます。

余談ですが、私も寝る前にはスマホを見ないようにして、気持ちをリラックスさせ、頭のほうから「無」になって眠りにつく、なんていうのを実践しています。

 

Q9.「絵本の読み聞かせは、いつごろからやればいい?」

これは早ければ早いほど良いです。「0歳では絵本の意味も分からないのでは?」と思われるかもしれませんが、絵本を読んであげるときの触れ合いや、あたたかい声に、子どもは愛情を感じることができるのです。

だんだんに目が見えるようになってくれば、それが興味へとつながっていきますし、成長と共に本が好きになっていきます。今は、月齢に応じた色々な絵本が出ているので、そこから選んでいただければ良いかと思います。

 

Q10.「0~1歳児への叱り方、どうすれば良いですか?」

1歳を過ぎると、叱らなければいけないことが出てきますよね。好奇心が旺盛な年頃でもあるので、危ないこともありますから、いますぐにケガをしそうな時など「ダメ!!」と言ってしまうのは仕方のないことです。

ただそのあと子どもはビックリしてしまいますから、抱きしめながら「ケガをしなくてよかったね」と言ってあげてください。「ダメ」という言葉を言ったきりにせず、褒めるなど、温かくポジティブな言葉とセットにして言ってあげることで、自己肯定感が下がってしまうことを防ぎます。

自分自身の危険だけでなく、わざと人を傷つけようとした時は、本気で叱って良いと思います。でも、愛情を持って叱ってください。叱ったあとにもフォローをしてあげて欲しいです。

普段のコミュニケーションや愛情を感じていれば、信頼関係がありますから、本気で叱ってもしっかり伝わりますし、ネガティブな状態で終わることはないと考えています。

さて、いかがでしたでしょうか?
冒頭にも申し上げましたが、これはあくまで私の経験と学びからの回答です。
全ての回答について、私の書いたことが、100%正しいとは思っておりませんが、少しでも参考になればと思い、お話させていただきました。

子育て中は、お悩みや困りごとが尽きないものです。ですが、私たちも親御さんと一緒に子どものために何が良いかを真剣に考えていきたいと思っています。だからこそ、もし困ったときは、私倉松や先生たちへ気軽にご相談くださいね。